徹底プレビュー! 2021AFCチャンピオンズリーグついに開幕 セレッソ大阪vs広州FC 2021/6/24 19時キックオフ ※日本時間
延期されていた2021AFCチャンピオンズリーグがついに開幕する。
さらにDAZNがACLの放映権を獲得し全試合視聴可能に、ネット上では大歓喜となっている。
そんな中、日本では川崎フロンターレ、名古屋グランパス、ガンバ大阪、セレッソ大阪の4クラブが出場。今季でも圧倒的な実力でJリーグを独走している川崎を筆頭に、日本勢がどれほどの成績を収めるのか非常に注目だ。
中でも最注目カードの一つであるセレッソ大阪vs広州FCを徹底プレビューしていく。
広州FCってどんなチーム?
広州FCは、中国広東省をホームタウンとし、中国超級リーグ(1部リーグ)に所属するクラブである。
広州FC?あまり聞いたことがないクラブだけど...
広州FCと聞いて、あぁ!あのクラブかと思った人は少ないんじゃないだろうか。それもそのはず、広州FCは今年、広州恒大から名前を変更したばかりなのである。なぜクラブ名が変更されたのか?その要因は、中国サッカー協会(CFA)が「サッカーは文化であり、サッカークラブは単なる企業ではなく、その街や地域の文化的シンボルである」と主張し、クラブ名から企業の名前を排除させた。
広州恒大なら知っている人も多いのではないだろうか。
広州FC、中国国内の立ち位置は?
広州FCは過去にリーグ優勝8回、ACL2回の優勝経験があり、国内ナンバーワンの成績を収めておる。さらに2011年から2017年にかけてリーグ7連覇を達成しており、現在の川崎フロンターレのような中国一強という印象だ。
ACLには今大会で10年連続出場しており、ACLの常連クラブという位置づけだ。
どんな選手がいるの?
張琳芃(ちょう りんほう)
山東省出身、ポジションはDFとMF、2010年に広州恒大(現広州FC)に移籍し、現在までそのクラブでプレーしている。広州一筋の選手だ。
代表では2009年から現在まで継続的に中国代表に選出されており、中国国内のトッププレイヤーの一人。愛称は中国のセルヒオ・ラモス。
つい先日行われた2022カタールW杯アジア2次予選の最終戦であるシリア戦にも出場しており、3-1で勝利を収めるなど最終予選突破に大きく貢献した。
パウリーニョ
ブラジルのサンパウロ州出身、ポジションは守備的MF、過去にトッテナムやバルセロナでもプレーしたことがある超一流選手。代表では2018ロシア大会で1ゴールを決めている。
2軍メンバーを派遣?広州FCがACL出場メンバーを発表
北京時間6/18、広州FCがACL出場メンバーを発表したと、中国メディア新郎体育が報じた。しかし、そのメンバー発表に関して中国国内で少しおどろきの声が上がっている。
全メンバーがU22のユースチームから選出、中にはU17の選手も
なんと広州FCはトップチームでプレイする選手を一人も選ばず、すべての選手をU22のユースチームから選出した。いわゆる2軍チームである。
メンバーは30人フルで呼んでおり、そのうち6人はU17の選手が含まれている。最年少で05年生まれ、つまり16歳の選手も選出されているということになる。
なぜこのようなチーム編成を?
この一見無謀ともされるメンバー選出に、国内でも様々な声が上がっている。「対戦相手も主力を呼んでいないのか?」「1軍で負けると恥だ。なら2軍に恥をかかせよう。」などのコメントが散見された。
一方、広州FCはこのメンバー選出に対する理由を主に2つ挙げている。
- チームの目標として若手の育成を掲げている
- それほど強くないクラブが同グループに所属している
ひとつひとつ深堀してみよう。
チームの目標として若手の育成を掲げている
「 新人を揺るぎなく訓練するというコンセプトをしっかりと実行し続けます」という目標をチームは掲げている。言うなればリーグ戦ではなく、ACLをその若手を鍛える訓練の舞台として利用しているということであり、これは他クラブから「ACLをなめているのか」と批判の声が上がりそうだ。しかし、日本のクラブでも過去に似たような編成をしていたこともあり、どの大会に比重を置くのかはクラブによる。
さらに、今回招集した広州FCのメンバーのほとんどはACLのような大舞台を経験したことがない。これは彼らのキャリアにとってすごく貴重な経験になるだろう、とクラブ側は考えている。
それほど強くないクラブが同グループに所属している
広州FCが所属しているグループJには他に「セレッソ大阪」「ポートFC(タイ)」「傑志(香港)」の3クラブが所属している。中国メディア新郎体育によれば、この中のポートFCと傑志の2クラブに対して低い評価を示している。そして、セレッソ大阪に1位の座を譲り、広州FCは2位でグループステージを突破しようという戦略を考えているようだ。ちなみにセレッソ大阪はこのグループ内で唯一の強敵と評価し、1軍で戦ったとしても勝てる保証はないと報じている。
今年のACLからグループが4つから5つに変更となり、それに伴いグループステージ突破の条件も変更となった。その条件とは、各グループ上位1位と、2位の成績上位3位の計8クラブとなっている。
2位を狙っている広州FCにとってはグループステージ突破は確定的ではないが、2位でフィニッシュした5クラブ中上位3クラブ(半数以上)も上がれるなら、それほど難しくないと考えているかもしれない。
過去対戦成績 広州FCが勝ち越しか
過去の対戦成績は、広州FCの2勝1分け1敗となっており、広州FCが勝ち越している。
直近の試合では2,018に2度対戦しており、0-0と3-1で広州FCがやや有利か。
しかし、今回の広州FCは経験の浅い2軍チーム。セレッソ大阪がフルメンバーで挑めば決して難しい相手ではない。
セレッソ大阪 グループステージの展望
セレッソ大阪は6/24の広州FC戦を歯切りに、7/9までの短い間でACLのグループステージをすべて消化していく。
中2日での試合が6連戦ともあって超過密日程だ。主力メンバーをいかに温存するかが重要になってくるので、若手も含めた総力戦になりそうだ。
セレッソ大阪 GS突破は決定的?
先ほど上記で述べたように、広州FCはセレッソ大阪は1位通過するだろうと予想している。たしかにセレッソ大阪からすれば、同グループに所属する「ポートFC」と「傑志」は、その国のリーグのレベルから考えると格下と言わざるを得ない。唯一の強敵である広州FCも2軍メンバーを派遣していることから、グループステージ突破はそれほど難しくないだろう。
未知の相手、油断はできない
「ポートFC」は昨年のタイリーグ3位、「傑志」は香港リーグの1位という成績を収めている。比較的レベルの低いリーグではあるが、少なくとも国内リーグを勝ち抜いているクラブなので油断大敵だ。
さらに、セレッソ大阪も常にフルメンバーで戦えるわけではない。中2日での超過密日程なので、主力をどこかで休ませないといけない。その代わりに出場した若手選手が連携面などでミスがあれば、そこをつかれ、一気に悪い流れに持っていかれるかもしれない。
まとめ
今回は2021AFCチャンピオンズリーグの最注目カードの一つ、セレッソ大阪vs広州FCの試合を徹底プレビューしてみた。
2位突破を狙っている広州FC 、1位突破最有力候補だが選手層の厚さが求められるセレッソ大阪。格下だが、昨年のリーグ3位と1位であるポートFCと傑志。
どのクラブが上位へ上がるの予想がつきづらい、非常に面白いグループだ。